チャプレンのブログ・ALSなんか大嫌い

アメリカでチャプレンとして働いています

亡き夫ジムの思い出‐①レッドモンド 1985

ジムの復学

ジムの両親の農場で ジムは、大学に戻るという目的を果たすため、大学について調べ始めた。 当時は、インターネットもなかったため、どうやって調べたのだろう、想像も付かない。 ジムは20代前半に、1年間ロスアンジェルスの聖書大学に通っていたが、学ぶ目…

父のお手伝い

お隣のロバをなでるジム ニワトリは、柵の中で飼われていたが、ヒヨコがかえると柵の網目を通りぬけて 畑の作物を突付く。 クローチ家では、それを見逃して、母鳥も一緒に自由に畑に出いるできるようにしていた。 ヒヨコが柵の網目を通れないサイズに育った…

愛犬デイジー

ジムとデイジー デイジーはジムの両親が飼っていた雑種のメス犬。 実は、クローチ家で飼う犬はみんな名前が「デイジー」と付けられる運命にある。 おそらくジムが子供の頃から4、5匹飼っていたが、どの犬もデイジー。 だから、家族で集まるとき、誰かが「デ…

母・ドロレスの畑

母は、畑でいろんな作物を育てていた。 ほとんど家で食べるものは、自分の畑で取れたもの。 私「お母さーん、今日の夕食、どうするー?」 母「そうねー、豆でも食べましょうか。 リエ、取って来てー。」とこんな感じだ。 私は「OK」と麦藁帽子をかぶって豆…

オレゴンから愛 6 フジテレビに一言

あきらくんと 「オレゴンから愛」の仕事を通して、いろいろな経験をさせてもらった。 まず、ドラマの見方が変わってしまった。 今は、どんなドラマを見ていても、「このシーンではカメラが3台あるな」とか、 「ここでカットして うまくつないでいるな」みた…

オレゴンから愛 5 田中健との会話

田中健さんとゴルフ 1985年から数年間「オレゴンから愛」の特別番組は続いた。 私たちの人生は数年の間にめまぐるしく変わっていったが、夏になると、「オレゴンから愛」の仕事をいただき、継続して働いていた。 田中健が出ていた年は、竹中直人、芳賀健…

オレゴンから愛 4 リエのエキストラ

ある日の撮影風景(病院) 伊藤蘭さんと、寺泉憲さんが演じる恋人同士が結婚するシーンを撮影することになった。 選ばれた撮影場所は、当時ジムの両親が会員で熱心に通っていたカトリック教会。 ウエディングとはいえ、式が終わって 人々の祝福を受けながら …

オレゴンから愛 3 ジムがエキストラに

木の実ナナさんと 撮影に少しなりとも関わって、ドラマというのはうまくできているものだと感心した。 「あきら」と友達の少年らは、いつも自転車で砂利道を移動して、遊びに行ったり、釣りに行ったりするが、本当は、自転車では移動不可能の行動範囲だ。 車…

オレゴンから愛 2

古谷一行さんと いよいよ、オレゴンから愛の撮影が始まった。 私は現地スタッフでは一番の新入りで、現地の地理に強いことから、美術班の担当となった。 美術班というのは、大道具、小道具の係りのおじさんたちで、 畑が必要となれば、畑を作るための苗を買…

インディアン居留地

インディアン居留地から見たマウント・フッド 家から北に1時間のところに 広大なインディアン居留地があり、ジムとよく行った。 インディアン居留地は、オレゴン開拓が始まった1800年半ばに、開拓者との問題を避けるため、 インディアンに与えられた土地だ。…

マウント・バッチラー

上の写真 バッチラー山(2700m級) 下の写真 バッチラー山のリフトから見えるシスターズ(3000m級)の山肌 バッチラーとは、インディアンの言い伝えによると、シスターズの山のすぐ近くに居ながら、 どれとも結婚できずにいるので、独身(バッチラー)という…

スミス・ロック

スミス・ロックは家から10分ほどのところにあった州立公園。 切り立った岩が、ロッククライマーたちの間で有名なところだ。 静かで、独特なジュニパーの木の臭いが乾いた空気をいっそう乾燥させている感じがする。 夏はガラガラヘビが出るので、散歩も要注意…

農場の現実 5 少年ジムの恐怖

ニワトリは、もちろん 卵と食肉用のために飼っていた。 時々、両親がニワトリの首をはね、さかさづりにして血を抜き、熱湯につけて羽をむしる。 肉が食卓にのぼるまで、何の手もかけずに、お金だけ払って 肉になった状態のものを買っていた私にとって、 いの…

農場の現実 4 食肉

父の農場では、動物には名前を付けない。 彼らは、いつかは食卓に上がる運命だから。 年に2度、業者がトラックでやってきて、牛を連れ去り、2,3日後には パックになって戻ってくる。 ステーキ、角切り、ミンチ などなど、冷凍パックにきれいになって。 …

農場の現実 3 いのち

ヤギは、おばかさんな動物だ。 人間にたとえると、何も考えていない人、すぐに周りに流されるような人。 何かの上に登りたがるため(山のヤギはよく岩肌を登っているが)、幼稚園児のような遊具が必要。 聖書では、ヒツジの弱さやおろかなところが よく人間…

農家の現実 2 いのち

今度は ジャージーという種類の牛が4頭の子牛を生んだ。 1度に4頭も産めるなんて、すごいものだと びっくりした。 すくすくと成長しているようだったが、少しずつ変化が出てきた。 1頭だけが、ほかの3頭に比べて体格が悪く、弱いのだった。病弱に生まれ…

農家の現実 1 いのち

牛のホルスタインが 子牛を身ごもっていた。 出産の日が来たが、難産で、なかなか子牛が出てこない。 母牛は長時間苦しんでいる。 父アートが友人で牛に詳しいアンディーという老人を連れてきた。 「このままでは 母牛も、子牛も危ない。」ということになり…

オレゴンから愛

面接の帰り ドラマ撮影の舞台で (レイク・ビリーシヌーク) ジムの頭の左に薄く見えるのは ジェファーソン山 1985年2月ごろ 町のローカル新聞に「オレゴンから愛」の記事が載った。 前年に3ヶ月にわたり放映されたドラマが好評を博したため、特別番組を撮影…

怖い出来事

父の牧草地では約30頭の牛を放牧していた。 ほとんどの牛が人に慣れていたので、動物好きの私は、撫でたりしてかわいがっていた。 牛たちは、草をひとしきり食べると、川辺に行って座って反芻(はんすう)する。 いったんは飲み込んだ草を胃から口の中に戻…

ジムの仕事

アルバイトの後 昼寝をするジム 若いのにいつまでも無職のままでいることはできないと、何か仕事はないかと考えた。 当時は就職難で、小学校の掃除の仕事 一つのポジション求人に対して 100人もの応募があったほど。 私は皿合い洗いボランティアのほか、3件…

シニアセンター

シニアセンターのイメージ 両親が住んでいた町は、当時人口がたったの6000人。 ほとんどが退職老人で、主だった産業もないため、仕事と言うものがない。 ジムと私は、この町にずっと住み続けるつもりはなかったが、 ジムがどの大学に行くかを決めるまで、し…

驚きの連続

いつも見えたカスケード山脈のスリー・シスターズとよばれる3つの山 ジムの両親との農家生活は、はじめてで面白いことばかり。 ジムの母ドロレスが、風邪を引いた。 母「私、少し熱があるみたい。風邪だわ。 みんなで、プールに行って泳ぎましょう!」 私「…

変な日常

雪の中の散歩 母と私と犬のデイジー ジムと私は、両親の家で父が増築した小さな3部屋を使わせてもらうことになった。 それで、過ごしやすいように好きな色にペンキを塗る。 以前にここを使っていたジムの妹たちは、部屋をブルーに塗っていたが、白に塗り替…

新しい生活のはじまり

両親の牧草地 (我ながら美しい写真!) オレゴンでの新しい生活がはじまった。 到着した翌日、私は朝起きて、現実を見て驚いた。昨晩は暗くて何も見えなかったのだ。 ここは農場! 父アートは 小規模な牧草地で牧草(ヘイ)を育て、それを売って収入に当て…