チャプレンのブログ・ALSなんか大嫌い

アメリカでチャプレンとして働いています

R小学校の思い出7 ゴム手袋

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アメリカで医者にかかると、看護婦も医者もすぐに薄いゴム製の手袋をはめて患者と接する。

最初、母が医者にかかったときすぐにゴム手袋を使っては、ポイポイ捨てる医者たちを見て、

「何だか患者のことを汚いものを扱うかのように いちいち手袋をしなくても・・・・」と感じたらしい。


さて、R小学校で働き始めたとき、私も学校側からたくさんのゴム手袋をもらった。

毎日使うためだ。

教室で生徒が鼻血を出したり、怪我をした場合は、すぐに生徒に駆け寄って、「大丈夫?」となるところが、

それより前に、自分の身を守ることからはじめなければならない。まずはゴム手袋の装着だ!

もし教師の手に小さな切り傷でもあろうものなら、もしや肝炎やエイズに感染してしまうこともある。

教師のロッカーには常時ゴム手袋の箱が置いてい有り、1日中ポケットに入れておくべきもの。

生徒の怪我の処置もさることながら、たれ落ちた血液も他の生徒が触れないようにすぐに消毒する。

そんな徹底ぶりだったので、慣れるのに少し時間がかかったが、しばらくすると、

血液を見たらすぐにパッとポケットからゴム手袋を出して装着するようになっていた。



さて、クラスの女の子Mちゃんが、グループ作業中にピアスを落とした。

(もちろん、小学生でもピアスをあけている女の子がほとんど)

私が拾って、彼女の耳に付けてあげたのはいいが、その時、プチッと私の指に刺さった。


翌日、私は校長から呼び出された。

「昨日Mちゃんのお母さんから私(校長)に電話がありました。

 彼女は看護士なんだそうだけど、あなたがピアスで指に怪我をしたことを、Mちゃんから聞いたそうです。

 お母さんは、あなたのことを心配して もう少し自分に気をつけるように注意してくれと言ってきたのよ。」

校長は、こう言うと「以後気をつけて 自分を守ることを忘れないように」言った。


自分では、言われるまで気にも留めていなかった小さな出来事だったが、言われて「ホントだ」と納得。


そのころアメリカでは、手袋をせずに治療をした歯医者が 少女にエイズを感染させたニュースが報道された。


その後日本に帰って、田舎の歯医者で歯の治療を受けた際、ゴム手袋無しで、

しかも、タバコのニコチンの臭いのする手で、口の中を触られて、非常に嫌な思いをした。

まさか、エイズは患っておられないにせよ、肝炎はありえる。

そう思うと、十数年前から、アメリカの小学校で徹底されていたあのゴム手袋のルールは さすがだと思う。