チャプレンのブログ・ALSなんか大嫌い

アメリカでチャプレンとして働いています

血なまぐさい事件

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今日、我が家で「血なまぐさい事件」が起こった。
やはり、ここはアメリカか・・・・!

ソーシャルワーカーのランスが訪問してくれ、今後のことについてかなり深刻な話し合いをしていた。

同時に、家具屋がベッドのヘッドボードを配達してきた。
このヘッドボードは、いわくつき。
というのも、7月末に注文したにもかかわらず、
店側の発注ミス、製造元の製造ミス、配達ミスが重なりに重なって、10月中旬の今になっての配達。
まあ、急ぐわけでもないので、この「物分りのよい客」はずっと冷静に待っていた。

さて、ランスと話をしていると、
配達の2人組 (私が勝手に)名づけて「アボットとコステロ」のコンビが
2階の寝室で取り付け作業に従事している様子だった。
(アボットが背が低くて 丸っこく、早口。コステロはのっぽで静か)

しばらくすると、バタバタと2人組が降りてきて、なにやら慌てている。
アボットがいっそう早口でまくしたたて言った。
「相棒が大変なんです! ドリルで手を貫通してしまって!」
「とにかく急いで病院に連れて行きます! タオルを貸してください!! 早く!!」
「寝室の壁とカーペットに血がついてますけど、あとで社の誰かに掃除させますのでー!!」

コステロは、自分のジャケットらしきもので、手を左手をぐるぐる巻きにして、
すぐに配達トラックに乗り込んで待機している。

事情を把握すると、
ヘッドボードとベッドフレームの固定ねじを入れる穴をドリルで開けていた際に、
ボードもろとも、支えていた自分の左手まで 貫通してしまった模様。

「えー???」「信じられないー!!」というも、もう彼らはいない。

ランスも 非現実的な中断がかかって、何を言っていいか判らず、
「2階の様子、見てきます?」といっている。
「もう、いいです。血なんか、見たくないから。続けましょう。」と、私。
仕方なく、ランスとのミーティングを続けた。

すると家具屋から電話がかかってきて、
「2階どうなってます?」
「知りませんー。今大事なミーティング中なんで。まだ見てません。」
「じゃ、終わったら電話ください。」
「それより、彼(コステロ)の怪我の具合はどうなんですか?」
「今病院で手当てを受けてると言うことしかわからないんです。」とのこと。
「このところ、変なんですよ。
 先週も従業員が作業中に親指を切り落としてしまうミスがあって、
 お客さんの家に救急車を呼んだところだったんです。」

ランスが帰った後、恐る恐る2階に行って見ると、
血しぶきが50個ぐらい ポタポタと 白壁とカーペットに飛んでいる。
やはり、他人の血は 気持ちのいいものではない。
愛犬も、少し離れたところに座り、尋常ではない感じで、じっと血を見つめている。

連絡をとると、
「どうします? お宅で掃除されます?」と来た。
「えー? そちらでお願いします。私はしません。」
「判りました。こちらで計画を立てて、すぐに折り返し連絡します。」

1時間後・・・
「明日の午後、プロのカーペットクリーニング屋に行ってもらうよう、手配しました。
 彼らは壁は触らないというので、これから私が 壁を掃除しに行きます。」

現れた30代のお兄ちゃん、「わー。」とか言いながら10分ほどで掃除終了。
「明日、カーペット屋が来ます。
 それから、ベッドの続きの作業は、今週末か、来週に社員を来させますので、
 それまで、我慢しててください。Sorry。」

「まだ、詳しいことは判らないが、手のひらを貫通したとき
 思わずつかんで 中指も傷つけてしまったみたいです。
 彼はこの仕事8年やってて、ベテランなんですけど」という。

日ごろから「どんくさい」と定評のある母が、
ひとこと、しみじみ、「ほんまに どんくさい人やねぇ。」

ああ、私たちのベッドは、11月が来るまでに、ちゃんと収まるのだろうか!!!!

かわいそうに、自分の寝ている方を血で汚された夫は、
「プロフェッショナルとは思えない」とあきれながらも、
血のついたところで、眠りについた。