ユダヤ人迫害の歴史
時々、マイナーな映画だけを上映している映画館に行って、楽しんでいる。
中年ともなれば、ハリウッドのギラギラやハラハラに疲れるときもあり、、
じっくりとストーリーを楽しみたいという気持ちになる。
先日は フランス映画 『ルノアール』を見てきた。
今日は 予告編を見て楽しみにしていた ユダヤ人迫害のドキュメンタリータッチの映画を見てきた。
「No Where on earth」 というタイトル。 (『地上にはどこにも・・・・』 という感じの題)
実は 今わたしの病棟に高齢のユダヤ人男性が入院されていて、
先日 「これ、何だと思うかね?」と 二の腕の内側にイレズミされた数ケタの数字を見せられ、
ホロコーストの生き残りであることを聞かされ、非常に驚いたのだった。
ロシアのウクライナでのユダヤ人虐殺は 生存者がたったの5%というほど、
悲惨な状況だったとは、この映画を見るまで 全く知らなかった。
洞窟探検家のアメリカ人男性が、自分のルーツであるロシアン・オーソドックスをたどって、
世界でも最も巨大だといわれるウクライナの洞窟を探検したところ、
女性物の靴や ボタンなど 人間の生活の後が残されていることを 発見。
数年間かけて 近辺の農民たちに聞いて回り、
やっとのことで ユダヤ人が住んでいたのではということがわかった。
それをきっかけにインターネットなどで調査を続ける中、
第2次世界大戦中、ナチスのユダヤ人収容所への強制送還を逃れるため、
数家族が 森林近くにある洞窟に隠れ、なんと1年半も 飢餓と恐怖と戦いながら生き延びたことがわかる。
途中、農民の通告で 警察に発見され射殺されるなどの困難に見舞われながら・・・
その家族のほとんどが、後にアメリカとカナダに移民されて、幸せな生活をされていることがわかる。
彼らが記憶をたどりながら語り、実際に67年ぶりに 洞窟に尋ねるというドキュメンタリー。
アメリカは最近のボストンマラソン爆破事件の余波で 悲しみと驚きに満ちているけれど、
人間の憎しみと偏見の歴史は、いつまで繰り返されるのだろう・・・・