チャプレンのブログ・ALSなんか大嫌い

アメリカでチャプレンとして働いています

私の卒業式


卒業証書を受け取った

そしてその足で、亡夫ジムのお墓に 卒業の報告をしに行った

ジムは 生前よく
「自分の大学院での勉強をサポートしてくれたのだから、
次は リエが好きなことを勉強する番だ」と言ってくれていた

それを言われるたびに心の中で、
『できればうれしいけれど、きっとそんなチャンスは自分には訪れないだろう」と
思い込んでいた

それが、彼の難病、そして死を通して
自分の残された人生をどう生きるのかと突き詰められる現状におかれ、
それまでのぼんやりとしか描けなかった人生の進むべき道を確実にするため
若い頃学んだ神学の学びを深め土台作りをしてから、見極めようと思い
47歳にして神学大学院の門をくぐったのだった

幸なことに、学び始めてすぐに 自分のやりたいことが
チャンプレンという仕事と共通点が多いことがわかり、
目指す方向を定めて、テーマを決めて学ぶことができた    

再婚した夫も全面的に協力を惜しまず、
私よりも私の能力を信じて 常に後押しをし(あるときはプレッシャーをかけて)
思い残すことなく勉強できる環境を作ってくれた

この数年間、私のことを支え、励まし、惜しまず協力してくれた二人の夫、
家族、そして友人たちに 心からのお礼を述べたいと思う。

また、心に希望を与え、それに向かっての困難な歩みの中で
ふさわしい道や扉を開いて導き続けてくださった 神様に感謝したい

私の選んだ道は、決して自分に向いている、やりたいということではなく、
神からの使命として与えられた道
自分の自己実現や充実感のためにやるのではない

(ローマ12:6~8)
  「私たちは、与えられた恵みに従って、異なった賜物を持っているので、
   もしそれが預言であれば、その信仰に応じて預言しなさい。
    奉仕であれば奉仕し、教える人であれば教えなさい。
    勧めをする人であれば勧め、分け与える人は惜しまずに分け与え、
   指導する人は熱心に指導し、慈善を行う人は喜んでそれをしなさい。」



ただ、学校を卒業できたというだけで、本番はこれからだ
9月から与えられたチャプレンの仕事を通して
神様が 苦しみの中にある人(患者さんや家族)に対して注がれている愛を
仕事を通して伝達したいと思う

学校での学びは 本当に貴重だった
今まで考えたことも無いような角度や深さで物事を知り、考える機会が与えられ、
自分の世界がいかに小さく、浅いものであるかが思い知らされた

できれば、時々、聴講生として神学を学び続けたいと思うが・・・・
(卒業生は聴講の割引もあるし~! 図書館も自由に使えるし~!)
しばらくは チャプレンの仕事で 四苦八苦でそんな時間はないかな・・・?


でも、その前に、
日本の家族・友人と、シンガポールの夫に会いに行くというお楽しみがある
2ヵ月半という、なんと贅沢なバケーション
バチが当たりそうだが、9月までの精神的なクッションとして楽しもうと思う。


「ジム、夫として 私に最良の人生の土台を造ってくれてありがとう。
あなたの強い信仰、前向きな姿勢、やさしい人柄、楽しい性格、
そして闘病と死を通しても 私にいろんなことを教えてくれた。

やっと卒業できたよ!
チャプレンとしてはやっとスタート地点に立てただけだけど、
これからも 見守っていてね」

イメージ 1

 

イメージ 2