チャプレンのブログ・ALSなんか大嫌い

アメリカでチャプレンとして働いています

プロポーズ

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                  私の実家で


ジムとの付き合いが始まって 1ヶ月が経った。
1週間に1度のデートなので、デートはこの間に3回。

私は、ジムのことが毎日頭から離れなくなり、なんだかそわそわした精神状態だった。
ジムに関しては、まだまだ、わからないことが多すぎる。

それは、私の英語の実力のせいでもあり、まだ付き合いが浅いこともある。
でも、すごくいい人だし、向こうも私に好印象を持ってくれている。

心の中では、「いつかの日か、ジムと結婚ということになったら、うれしいだろうなー」と
なんとなく「よい方向」に向けて、期待がふくらんでいった。

「ああ、これが、私の独りよがりの気持ちでなければいいのに!」 と願うのみ。

さて、4回目のデートの日。
京都の公園を散歩していた。

ジムは、自分が時々見る 気になる夢について話してくれた。
それは、自分の70代の父親、アーサーの夢。
父が、何もない砂漠をよろよろと倒れそうになりながら、さ迷っている夢を何度も見ると言う。

「父は 年をとって、自分の助けを必要としているんだと思う。
 なんだか父のことが心配で、帰ってあげなければいけないと思っている。」

「僕は、近い将来、アメリカに帰ろうと思っているんだけど、一緒に来てくれますか?」

お父さんの話だと思って、単語を聞き逃さないように 一生懸命聞いていたら、
最後に、「アメリカに一緒に来てくれますか?」ときたではないか?

私は「は?」と話の趣旨がわからなくて、しばらく戸惑った。

この質問の内容には 3つの可能性がある。
アメリカに一緒に行くって、これはもしかしてプロポーズ!?
それとも、親に紹介したいほど真剣だから、一緒に行って会ってくれますかということ?
ただ、私がアメリカが好きそうだから、友達として気軽に旅行に誘っているだけ?

突然にいろいろな考えが ゴチャゴチャに頭を駆け巡り、
ジムが帰国してしまえば、私たちの交際は途切れてしまうのだろうかという不安も湧き上がった。

そして、思い切って聞いてみた。
「それって、結婚してくれと言うことですか?」
「プロポーズですか?」

するとジムは、急に顔を真っ赤にして 恥ずかしそうに「Yes」と答えた。

シャイな彼は、はっきりと「結婚」という言葉を口にできなかった模様。
今思えば、とてもジムらしい。

私は、「えー!!!!!?????」と言ったきり、言葉が続かなかった。

そりゃー、ジムのことは大好きだし、将来結婚できればいいなとも思っていた。
でも、でも、でも、まだ付き合いはじめて1ヶ月で、たったの4回しか会っていない。

そんな! あまりにも 早すぎる!!!
インドで奉仕活動をするという私の計画は、どうしよう!

私は急に考え込んでしまい、明るい表情が消えてしまったため、
ジムも、{だめかもしれない}と思ったのか、しんみりなってしまった。

私は「あなたのことは好きです。
 でも、あまりにも急すぎるので、少し時間をください。よく考えてみたいのです。」と言った。

すると、ジムも深刻になり、こう言った。
「返事を待ちます。よく考えてください。
 でも一つだけ、お願いしたいことがあります。
 それは、他の人には誰にも相談せずに、自分の本心で決めて、返事をください。
 Yesであれ、Noであれ、あなたの本心からの返事であれば、僕は納得します。」

キャー! どうしよう???
私は 自分のことを 内緒とか秘密とかいうことができず、なんでも人に話してしまうタイプ。
これまで何でも相談してきた親にも 友達にも相談できないなんて、拷問だー!

大課題を突きつけられてしまった・・・・。

私は  「どうしよう・・・」
ジムは 「だめかも・・・」

二人とも、黙り込んでしまい、その後、どう時間を過ごしたのか記憶にない。

好きな人からプロポーズされて、本当なら「とても幸せ」であるはずのところ、
私たちの場合、混乱のデートとなってしまった。

初夏を感じる6月の京都での 懐かしいジムとの思い出だ。