チャプレンのブログ・ALSなんか大嫌い

アメリカでチャプレンとして働いています

婚約時代の思い出 2 「保津川」

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夏の暑い盛り、私はジムを「保津川に泳ぎに行こうよ」と誘った。
自然の大好きなジムは、すぐに賛成。行くことになった。

当時、私はJTB京都支店の外人旅行課でアルバイトをしていたが、
時々、仕事で外国人観光客をつれて、「保津川下りツアー」に添乗していた。

船頭さんが漕ぐ舟に乗り、水しぶきを浴びながら、保津峡から嵐山まで下っていく美しいツアー。

その最中に、私は目ざとく「ここは、なかなかいいスポットだな」なんて、見ていたのだ。
そこは、遊泳禁止区域の近くで、誰も泳ぎに来ないような素敵で静かな場所だった。

その日、ジムと私は、電車に揺られて 当時の国鉄で保津峡を目指した。
駅に着くと、ハイキングをして あのスポットまで行った。

そこは、ちょうど川が急に曲がっていてポケットのようになっている。
周りはとても静かで、後ろは高い木々のある森林。
都会の喧騒から離れて、自然を満喫しながら、私たちは川遊びをしていた。

ふと気がつくと、かすかに何かの音がする。どこからかだんだん近づいてくる何かの音。

「ギーコ」 「ギーコ」 「ギーコ」

すると、上流から なんと「保津川下り」の船が たくさんの客を乗せてやってきたではないか!!
私たちは、慌てて水から上がり、岩の上によじ登った。

船の船頭さんや客たちは、「こんなことろに外人さんが泳いでるよー」と言う感じで、
ニコニコしながら、私たちに手を振ってくる。

私たちも、なんだかバツが悪く、仕方がないので、愛想笑いをして 手を振りかえした。

「あーあ!」船をやり過ごすと、私たちは とんだハプニングだったね、と言う感じで驚いた。

そして、また水に入って、急な流れに逆らって泳いでいた。

約20分すると・・・・、2度あることは3度ある、もとい! 1度あることは2度ある!

そう! また、あの「ギーコ」「ギーコ」が・・・。
私たちは、「またか」という感じで、水から上がる。
案の定、客たちは、ニヤニヤと慌てている外人に向かって手を振ってくる。

どうやら「保津川下りツアー」は、約20分ごとに 船を出している模様。
私たちは 船が来るたびに手を振る羽目になってしまった。

結局、この日はそんなことの繰り返しで、一体何をしに行ったのやら・・・。

目ざとく よい場所を見つけておいたのはよいが、
保津川下りのスケジュールまでは チェックしておかなかった私が馬鹿でした。
モトはと言えば、自分もそのツアーに乗っていたから、その場所を見つけたまでの話。トホホ。
いつも、どこかが抜け落ちている私のしそうなことではある。

とんだ一日となったが、今となっては 笑い話だ。