チャプレンのブログ・ALSなんか大嫌い

アメリカでチャプレンとして働いています

結婚式準備 秒読み態勢

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               冬の外食

1984年大晦日、泣いても笑っても いよいよ明日が結婚式だー!!

当時は、お正月といえば ほとんどのものが閉まっていたため、準備も万端にしなければならない。
親戚がたくさん集まってくるのに、頼みのレストランも店も、元旦は開いていないのだ。

妹も就職先の寮から帰ってきて、母と二人 とにかく台所仕事が忙しい。
おせち料理を大量に作っていて、私が話しかけようにも 助けを求めようにも 振り向かない有様。

「元旦なんて、こんな変な日を あんたたちが選ぶから!」
こっちはいい迷惑だと言わんばかりに、不機嫌そうに仕事をしている。
トントン、グツグツ・・・・。 一種のパニック状態。

私は 運悪く風邪を引いてしまい、午後には長時間の昼寝が必要となった。
鼻水が出て グスングスンやっていたが 
結婚式の当日、参列者には感動した花嫁が涙ぐんでいると見えていたらしい。(ラッキー!)

昼寝から目が覚めた私は、ある準備を忘れていたのを思い出した。
フラワーガール(教会の娘さんで 当時小学1年生のかわいいMちゃん)が、
ヴァージンロードにまくはずの、花びらが準備できていない!

それで、私は いいアイデアが浮かび、父に頼んで車で連れて行ってもらった。
それは、花屋さんの倉庫。
日ごろから その花屋さんの倉庫の前に、葬式で使われた花がたくさん無造作に捨てられているのを
思い出したのだ。
ただ、一度しか使われていないのに、捨てられてしまう花。もったいない!!!

父にも頼んで一緒に 花を拾い始めた。
白い菊がほとんどで、中には淡いピンクの花もあった。

しばらく摘んでいると、運悪く、買い物帰りの母がバイクで通りかかった!

無心に花を拾っている父と私を見て、母が「あんたたち、何してるの!?」と大きな声で怒鳴った。

私はクールに 「フラワーガールの花を忘れたから ここで拾ってるだけだよ。」

母「あんたたち、それ葬式の花って、知ってんの!?
  いくら何でも、結婚式みたいにメデタイ時に、葬式の花を使うなんて! すぐに止めなさい!」

私「誰も死にたくて死んでないんだし。 それに 花には 何の罪もないでしょ。
  同じ花でも あるものは葬式に使われて、あるものは結婚式に使われる。
  それなのに、葬式の花は 縁起か悪いとか言って 1度きりで捨てられて、もったいないよ。
  ねー、パパ。」

父も「そらそうやね」と、なんとなく、私の意見に賛同して そのまま作業続行。

母は、この非常識な父と娘にあきれ返って、「もう、勝手にしなさい!」
とムカムカしながらその場を立ち去った。

かくして、次の日、結婚式の中で この葬式の花は 大活躍。
写真にも バッチリ写っているが とてもきれいだった。

私の家族は 常識に捕らわれていないと思うが、この1件にしてもシカリ。

国際結婚することも、アメリカに引っ越すことも、家族はおろか、親戚も反対しなかった。
唯一、否定的な言葉は、
「何かがあったらすぐに帰ってこれるように飛行機賃だけは 用意しておきなさいね。」
といった伯母の一言だった。

結婚後たくさんの国際結婚をしたカップルに会ったが、ほとんどが家族の大きな反対にあったと言う。
そのことからすると、私はなんと恵まれた環境だったのだろうかと思う。