チャプレンのブログ・ALSなんか大嫌い

アメリカでチャプレンとして働いています

犯人は韓国人学生

ヴァージニア工科大学の銃乱射事件は 犯人の身元が公開された。
韓国出身で永住権をもち、ドライクリーニング業を営む夫婦の息子だった。

自分の命を犠牲にして友の命を救った人々の勇気ある行動が報道されている。
特に、第2次世界大戦のホロコーストを生き残ったユダヤ人教授は、
自らの体を楯に生徒を守って射殺された。

「人がその友のためにいのちを捨てるという、これよりも大きな愛は誰も持っていません」
と言う言葉が聖書にあるが、その通りのことができる人がいるのだ。

自分のいのちを犠牲にしてまで、人を生かす なんと勇気のある行動だろう。


いつもアメリカの報道を見ていて思わされることだが、アメリカ人は 事件や災害など、困難が起こると、
実態を細かく報道するのは勿論のことだが、起こった事態にどう対応しているかに報道の重点がおかれる。

日本の報道、特に民放では、なめるように詳細を映し出し、細かくじっくり報道される。
たとえば地震や水害が起こると、ドラマのように涙をさそうようなBGMつきで、
被害の大きさが大々的に取り上げられる特徴があると思う。

アメリカ人たちは、自分たちが屈することを認めない。前進あるのみ。
立ち止まることは 屈すること、屈することは 敗北を認めることにつながるかのように、
何があっても、前進することに強調点がおかれている。
今日も追悼式で「ヴァージニア・テックは 打ち負かされない!」と何度も連呼されていた。

Life goes on

今回の事件では、遺族たちが ほとんど犯人の悪口を言わないのが印象的だ。
「犯人に対して、何の感情もわかない」
「ただ、この悲しみから早く癒されたい。回復したい」と言っていた。

そして、ニュースキャスターたちも、「さすが」とうなりたくなるほど、
感動的で視聴者に勇気を与えるようなまとめで 上手にしめて、
私たちが「きっとこれからも大丈夫」と安心感をもてるような言葉を選んでいる。

悲しみの中にあっても、底力を発しているアメリカ。


それはそうと、ジムの甥のクリスだが、今日、無事が確認されたとの連絡が入った。
ひとまずホッとした。
ジムの妹ローズは約1年前に夫を脳腫瘍で亡くしたばかり。
もし、息子のクリスに何かがあったらと、とても心配だった。

今日、アメリカ中が喪に服している。