チャプレンのブログ・ALSなんか大嫌い

アメリカでチャプレンとして働いています

ジムの仕事

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                  アルバイトの後 昼寝をするジム

若いのにいつまでも無職のままでいることはできないと、何か仕事はないかと考えた。
当時は就職難で、小学校の掃除の仕事 一つのポジション求人に対して 100人もの応募があったほど。

私は皿合い洗いボランティアのほか、3件のお年寄りの家のお掃除をするとになった。
それぞれ週に1度、1時間半ほど行って、掃除機をかけ床のモップがけをする。
リューマチや関節炎で 腕が動かないなどの問題で、掃除ができないお年寄りたちだ。
すずめの涙ほどの収入だったが、そこは若い私。
どんなことでも経験する価値はあるし、何かやらせてもらえるだけ感謝と思って掃除をした。

ジムがやっとありつけた仕事は、ピザ屋の生地配達の仕事。
早朝に生地を数件の支店に配達して回る。
ピザの生地も数量がかさめば、かなりの重さで、肉代労働。
毎日一生懸命働いても、収入は信じられないほど低かったが、何もないよりはマシだった。

その仕事中、ジムは失敗をしてしまった。
本人は、「恥ずかしいので『あのこと』には触れてほしくない」と、口止めされていたが、
もう時効なので許してくれるだろう。
(これを読んだ人は、天国でジムに会っても 口外しないように!)

ジムが配達に使っていたピザ屋のバンは、どうも古かったようで、時々エンストを起こしていた。
その日は、仕事の最中に何度かエンストが起こり、ジムのイライラは頂点に達していた。
運転中にまたエンジンが止まりかける状態になった時、物静かなジムにはめずらしいが、怒りが爆発。
カッとなって 運転席から ボクシングのようにコブシで 「ガツン」とフロントガラスを打った。

すると、なんとフロントガラスが くもの巣模様に割れてしまったのだ!

しまったと思っても、後の祭り。
もちろん、修理代は本人の給料から差し引かれることになり、かなりの打撃。
少ない給料から、高額な修理代を取られ、何も残らなかった。

本人は「二度とこんな失敗はしない」とかなり反省。
私は最初は「えー?」と思ったが、本人がへこんでいたので、それ以上は何も言わなかった。

あれ以来そういうことは起こらなかった。
やはり、あの事件は ジムの性格から言えば 例外の中の例外だったのだろう。