チャプレンのブログ・ALSなんか大嫌い

アメリカでチャプレンとして働いています

父のお手伝い

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                   お隣のロバをなでるジム

ニワトリは、柵の中で飼われていたが、ヒヨコがかえると柵の網目を通りぬけて 畑の作物を突付く。
クローチ家では、それを見逃して、母鳥も一緒に自由に畑に出いるできるようにしていた。

ヒヨコが柵の網目を通れないサイズに育ったら、柵の中に入れるらしい。

ある日、父アーサーが、ジムと私に、
「今夜、ニワトリを移動させるから手伝ってくれよ」と言った。

夜になり、あたりが暗くなると、父は「そろそろ行くか」と腰を上げた。

私は「こんな暗い中、どうやってニワトリを移動させるのだろう?」
 
「大人3人で両手を広げて30羽ほどのニワトリを ニワトリ小屋まで追い込むのだろうか・・・」

わからないまま、父についていくと、父が私たちに軍手を渡した。

ニワトリたちは 干草が積み上げてある収納庫の手すりに、立ったままの姿勢でつかまって並んで寝ている。

彼らは人間の気配がしても 鳥目なので、じっと様子を伺っていた。
鳥目でなくても、人間でさえ、この暗闇では、ほとんど何も見えない状態だ。

父は私たちに静かにするように促すと、おもむろに3羽ほどのニワトリの足を一気にバババッとワシづかみにして、
逆さにぶら下げ、「はい、リエ持って!」と私の右手に渡した。

ニワトリに触ったこともないのに、逆さづりにしたニワトリを同時に3羽もつかむなんて!

父は 有無も言わせず、私に持たせると、
また同じようにバババッと3,4羽の足をつかみ、逆さにして今度は私の左手に渡した。

私はヒエーっという感じで、怖いやら、キショク悪いやら。

ジムも同じように両手にニワトリを渡されて。

3人でニワトリを両手にぶら下げて ニワトリ小屋まで運んだ。

こんなことを3度ほど繰り返しただろうか、無事にニワトリの大移動は完了した。


それまで、ニワトリは収納庫の中の干草の好きなところに卵を産んでいたが、
次の日から、卵ハンティングに行かなくてもよくなって、楽になった。

クローチ家では、人が遊びに来たり、シスターが訪問するときは必ず、たくさんの卵をおすそ分けしていた。