チャプレンのブログ・ALSなんか大嫌い

アメリカでチャプレンとして働いています

ジムの復学

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           ジムの両親の農場で


ジムは、大学に戻るという目的を果たすため、大学について調べ始めた。
当時は、インターネットもなかったため、どうやって調べたのだろう、想像も付かない。

ジムは20代前半に、1年間ロスアンジェルスの聖書大学に通っていたが、学ぶ目的意識もなく、
韓国、日本の教会で働くチャンスがあったため、休学というか、退学状態のままになっていた。

そのロスアンジェルスの大学には絶対戻るつもりはないという。
聖書大学が嫌いのではなく、ロスアンジェルスが嫌いだったのだ。

大都会で、ごみごみしていて、犯罪が多い。
「あんな危険で殺伐としたところに、リエを住ませるつもりはない。」と言っていた。

それもそのはず、ジムは、ロスアンジェルスで友達の日本人の女子学生が、
たまたま一緒にいたところで 射殺されて死んだのを目撃していた。

また、自分の車が 昼の日中に 駐車場で荒されて、盗難にあったり・・・・。

私も、ロスアンジェルスは、大都会すぎて自分には居心地の悪い場所だと思っていた。

それで、オレゴン州の北、ワシントン州のスポケーン市に小さな聖書学校があることが分かり、
さっそく、見学に行くことになった。

ベッツィー(黄色のフォルクスワーゲン)に乗って、約9時間かけて移動。
長い運転になると、必ず私たちは 二人でいろんな歌を大合唱。
賛美歌から ポピュラーソング、二人でハモッて 楽しく歌ったものだった。

ちなみに、ジムは1950年ー60年代のオールディーズが好きで、
私は、70年-80年代の新しい曲(今となっては、古いのかしら)が大好きだった。

ワシントン州も自然の美しいところだ。
たまねぎで有名なワラワラ、ワシントンはりんごの産地としても有名だ。
また、行けども行けども、麦畑が左右に続いている。
ワシントンは麦の産出が多いのではないかと思われる。

やっと着いたスポケーン市は、中央ワシントンに位置している小都市。

聖書学校は小さくて、知られていないが、ゴンザガ大学という有名カトリック大学がすぐ近くにあった。

ジムが編入の手続きを済ませると、さっそくアパート探し。

ゴンザガ大学から3ブロックのところに、大きな家を3つのアパートに改造したところが見つかった。

やっと慣れ親しんだオレゴンとジムの両親に別れを告げるのはつらいが、
いつまでも 仕事のない町で ぐずぐずしているわけにもいかない。

私たちは二人だけで、新しい人生を歩み始めようとしていた。1985年の夏のことだった。