チャプレンのブログ・ALSなんか大嫌い

アメリカでチャプレンとして働いています

カマル・ラストジ

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           カマルとジム

スポケーンのアパートには、洗濯機も乾燥機もなかったため、コインランドリーで洗濯をしていた。

ある時、ジムと私がコインランドリーで洗濯物が乾燥するのを待っている間に、
インド人と見られるジムと同年代の男性がランドリーにやって来た。

ジムは、自分が韓国や日本に住んで色々な経験をしたからか、外国人に非常に親切だった。
外国人を見かけると、「何か必要があればお手伝いしましょうか?」と、すぐに声をかける。

ジムは、そのインド人にも声をかけた。彼の名前はカマル・ラストジさん。

カマルは、刑務所の医者で、アメリカに移民してきたばかりで、友達もいないらしい。
ジムは、カマルが独身でさみしいだろうと、すぐに彼を食事に招待。

私は簡単なチキン料理などを作って、時々カマルを招待した。
どんなにスパイシーな味付けにしても、カマルはコショウをどんどんかけて、どんな料理も真っ黒になる。

彼はインド人独特のなまりの英語で、色々な話を聞かせてくれた。
彼は成功を目指して努力を重ね、医者にまでなったが、階級制度のため、満足のいく生活ができなかった。
それで、自由と平等を目指して、アメリカに移住したのだと言う。

なんとかインド女性と結婚して、アメリカに永住したいと言っていた。

特にインドの階級制度や社会の話は、何も知らない私たちにとって新鮮そのもの。
興味深い話をたくさん聞かせてもらった。

カマルはその後、他の刑務所に転勤となったが、数年間は連絡を取り合っていた。

今頃、彼は希望通りにインド女性と結婚して、どこかで幸せな家庭を築いていることだろう。