チャプレンのブログ・ALSなんか大嫌い

アメリカでチャプレンとして働いています

ささやかな楽しみ

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スポケーンでの私たちの生活は いたって質素だった。

ジムも私も一生懸命働いたが、収入はスズメの涙ほど。

学生生活というのは、そんなもの。

毎週の食費は15ドル程度で、卵、パン、ジャガイモ、人参と玉ねぎ、それに牛のミンチが基本的な食材。
これをカレーにしたり、肉じゃがにしたり、様々にアレンジして料理していた。

このけなげな新妻は、時々マシュルームなど、贅沢な食材を買って 罪意識を感じてたことも多々あった。
今の私には考えられない!

私たちの唯一の楽しみは、週に1度 二人で近所のパーラーに行って たった50セントのアイスクリームを食べることだった。

ある時から、もう少し張り込んで、週に1度 レストランでデザートを食べる事にした。
毎週月曜日は、夕食が終わってから 二人でケーキやパイを1つ注文し、半分コにして二人で食べる。
今から思えば、ひとりで1つのケーキを注文する余裕すらなかったのだ。

それでも、当時の私たちには、そのささやかな楽しみが、とても嬉しかった。

何週間か過ぎて、私はなぜか、時々ひどい頭痛に悩み、イライラするようになった。
ジムが色々な原因を考えたところ、私の頭痛はいつも月曜日の夜に起こっていることがわかった。

「もしかすると、月曜日のデザートが原因かもしれない。
 リエは、糖分に反応して、イライラしたり頭痛が起こるのかもしれないから、しばらく止めてみよう。」ということになった。

せっかくのささやかな楽しみだったのに、月曜日のデザートを止めてみた。
すると、私の頭痛がピタリと治まったのだった。

それで、また50セントのアイスクリームに逆戻り。

生活はとても苦しかったけれど、若い二人には、毎日がとても楽しかった。