あわや、ライフルで
私たちの住んでいたアパートは、ユージーン市の西の端で、このアパートを境に田舎の風景が始まっていた。
ある夕方、私はココをつれてアパートの隣にある芝生の広場（野球場ほどの広さ）に散歩に出かけた。
ココは、離してやると、私につかず離れず チョロチョロと自由に散歩をする。
ふと見ると、道路の向こうに２人の男性が、ライフル銃をもってウロウロしていた。
どうも、鳥を打とうとしている様子だった。
「パーン、パーン！」鳥がいるのか、銃声がしていた。
私は、「まあ、ここは市街地には違いないけど、田舎との境界線だから、こんなこともあるか・・・。」
などと考えながら、それほど気にしていなかった。
ところが、しばらくしてまた「パパパーン！」と連続して銃声が聞こえたかと思うと、
「シューッ！！！」と弾が飛んできて、私の頭の上を超え、
私とココが３，４メートルほど離れて立っていた間の地面に刺さった。
その途端、私の足はすくんでしまった。
ココは、性格の強い犬だったが、さすがに異常な雰囲気を感じたのが、怖がってスーッと私のところに来た。
おそらくハンターたちは、遊びで鳥を撃っていて、飛んだ鳥を目がけて思わず広場の方向に向けて発砲してしまったのだろう。
もう少し角度が違っていたら、私かココに命中していたかもしれない。
私はすぐにアパートに帰って、警察に電話をかけた。
警察官がすぐに家に来て、２人のハンターたちを探しに行ったが、残念ながら見つからなかった。
アメリカならではの出来事だ。
