グランドキャニオン
やはり、ここまで来たかいがあった。
その壮大な自然美は、何にたとえることができよう！
あまりの美しさに４人とも大感動だった。
夜になって、久しぶりにテント生活を離れ、近くのキャビンに宿を取った。
ペット禁止の部屋だったが、山小屋風なのでわからないだろうとココも入れた。
皆が寝静まっていた夜中に、コトンと何かの物音が・・・・。
すると、神経質なココがすぐに飛び起きて、キャンキャン泣き出した。
ほどなく、事務所から電話がかかってきて、隣のキャビンから苦情が出たと言う。
見つかってしまったので、ココをバンの中に寝かせる事にしたが、またキャンキャン泣いている。
それで、仕方なく、ジムが結局はバンでココと一緒に寝る事になった。
ジムはいつも自己犠牲になってくれて、本当に謙遜な人だった。
さて、ユージーン市からここグランドキャニオンまで、優に1500キロはあったと思うが、
みんなの意見が一致して、帰りはノンストップでジム、父、私の３人のドライバーで交替で運転して帰る事になった。
ジムは、私の運転の番になると、私が眠気に襲われるのではないかと心配して、母に
「お母さん、リエが眠くならないように、ずっと話しかけていてくださいね。」と頼んだ。
母は「ジムは、いつもリエのことばかり考えて、他の人はどうでもいいのね。」と皮肉を言った。
往復約３千キロの長いたびは無事終わり、両親もアメリカ旅行に大満足して、日本に帰国した。
