チャプレンのブログ・ALSなんか大嫌い

アメリカでチャプレンとして働いています

R小学校の思い出

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               日本庭園で写生の遠足


アメリカの公立小学校に勤めるようになり、色々と興味深いことが多かった。

まず、教師たちには ラウンジという休憩室はあっても、職員室と言うものは無い。

教師それぞれが自分の担任の教室にロッカーをもち、そこを拠点に仕事をしている。

ほとんどの教師が専門職で、3年生ならずっと3年生を希望して担任できる。

教師にとっては、その方が仕事を深められるし、教材も自前で多く集めて効果的に教えられる。


また、安全管理が厳しく、学校のドアは内側から自動ロックがかかり、部外者は簡単に入れない。

万全に思えても、時々、電気工事作業員のふりをして泥棒が入り、教師のハンドバッグから現金を盗んだり、

教室備え付けの、テレビや ビデオデッキを盗んだりする。

そのため、校内でも 休み時間などは教室にカギをかけることを忘れてはならない。


お昼休みは全員の教師が交代で必ず校庭で遊ぶ子供を見守る。

子供たちを見るというよりも、フェンスの向こう側に不審者がいないか警戒するのだ。

ボールがフェンスを超えて子供がとりに行くときは、教師の許可が必要で、監視がなければ取りにいけないことになっている。

校庭には必ず4,5人の教師が 決められた場所に配属される。

時々、校長が教師の監視態度をチェックにくるほど、安全管理は深刻だ。

子供のけんかや怪我に教師が関わっている間は、穴が開かないように互いにカバーし合う。

みぞれの降るような寒い冬に30分も外にじっと立っているのは、本当につらかった!


R小学校では、放課後は 校庭を公園として地域に開放していたが、

ある日 在校生の男子(3年生)とその弟(5歳)の二人が、この校庭から誘拐され、

数日後に 性的虐待を受けた上で 殺害されているのが 川辺で発見されたのだ。

放課後の事件だったので、学校側は関係が無いと言えば関係が無いのだが、

このことで学校区はもちろん地域一体が恐怖におののいた。


アメリカの学校は、今や犯罪の対象になりやすい場所となってしまったが、なんと悲しいことだろう・・・。