チャプレンのブログ・ALSなんか大嫌い

アメリカでチャプレンとして働いています

ALS サポート・ミーティング

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           午後のひととき リラックスするココ




今日の夕方、ALSのサポート・ミーティングにはじめて参加した。

かねてから、ALSの患者さんと、その家族のために何かできることはないかと思っていたので、

ALS協会に問い合わせたところ、たまたま電話に出てくれたソーシャルワーカーが

3年前にお世話になったLさんで、いろいろ詳しく教えてくれた。


「家族をALSで亡くした人も参加できますが、

 あくまでも、ALS患者を支援・協力をするためのミーティングであって、

 遺族の悲しみを癒すタイプのミーティングではないことを 理解いただけるなら、

 どうぞ、参加してください。

 
 中には 患者さんと、亡くなった自分の家族をダブらせて

 精神的に不安定になり、悲しみを抑えられなくなる人もいるんですが、それでは困るんです。」


Lさんから、そう言われていたので、覚悟して出かけた。



午後4時。

定刻になると、パラパラと指定された病院の会議室に 人が集まってきた。

ALSの患者さん3人。(一人は杖をついた女性、一人はウォーカーの女性、一人は電動車いすの男性)

ALSの患者を介護している家族が2組。

そして、ALSで家族を亡くした者が、私を含めて2人だった。


今日は、特に決められたトピックがなく、互いの情報交換や、情報収集が 前向きな雰囲気の中で行われた。


バスルームの改造のことや、介護チームのこと、それに コミュニケーション・デバイスのことなど。

私は、新顔だったので、介護をどうしていたのかとか、夫の食事をどうしていたのかなど、

質問され、経験を話させてもらった。


私の話など、参考になるのだろうかと思っていたが、皆さん真剣に話を聞いてくださっていた。

ともかく、治療法がない病気であるため、何が功を奏するかわからない。

どんな情報でも、大事に受け止めてみようという真剣な姿勢だ。


皆さん、私が手探りで一生懸命やっていた介護を 今やっておられることを思うと 胸が痛んだ。

でも、愛するもののためなら、何も恐れない、何も躊躇しないという 真剣な取り組みに感動した。


来月は、コミュニケーション機械について、機種や特徴など 実際のデモンストレーションをしながらの

説明がなされるらしい。


1時間半のミーティングのあと、何人かの人が、私のところに来て

「いろいろ価値のある情報をくださって、ありがとうございました」

「ご主人を亡くされたあとも こうやって支援してくださって、ありがとう」と声をかけてくださった。


何もできなくても、そこに参加することで 支援・サポートになるのであれば、

これからも参加させてもらいたいと思う。


最後に、去年の5月に78歳の奥さんを亡くされたという 80歳くらいのTさんと 言葉をかわした。

かくしゃくとしたTさんは、ミーティングで奥さんを介護した経験から、たくさん貴重な話をされていた。

私に「妻とは、結婚56周年だったんだよ。」とおっしゃったので、

 思わず、「Are you doing okay?」(その後、お一人になられて大丈夫ですか?)と聞いた。

すると、急に涙目になって、「It's been hard.」(つらいよ・・・)とポツリと言われた。

私みたいな年の違う、人生経験もないような者にも、正直な素の人間の姿を 無防備に見せたTさん。

同じように伴侶を亡くした者にしかわからない共通点を感じ、好感をもった。


このブログのタイトルにもあるように、本当にALSは憎い。

愛する者たちを苦しめる この病よ、お前はいったい何者なのか!



いろいろと考えて、今日はなかなか寝られそうにない・・・・・。