チャプレンのブログ・ALSなんか大嫌い

アメリカでチャプレンとして働いています

ケース・スタディー


パリアティブ・ケア ティームでは週に一度 勉強会がある
前半が 異なるトピックの講義
後半は ケース・スタディーだ

今日は 私がケース・スタディーのプレゼンテーションの番だった

ケース・スタディーでは 一人の患者さんの症例を選び、
この人の病歴、精神鑑定、検査、手術、薬などを調べ
治療をあきらめ 緩和ケアーに至るまでの 経緯を発表

そして、パリアティブ・ケアーに引き継がれた後、
ティームが どのように協力してケアーをしているか
ソーシャルワーカー、医者、心理学者、チャプレンなどが
具体的にどんなことをして来ているか、
その結果、患者さんがどのような状態になっているかを発表する

私がケース・スタディーのために選んだ患者さんは
死期の近づいている50代の男性の方

病院に頻繁に来られるようになった5年前から現在まで
ずべてのカルテを読んで どんな医療を受けられて
現在のパリアティブ・ケアーのチームから
どんなケアーを受けておられるのか検証した


このようなプレゼンテーションをするのは初めてだったため
チャレンジが多かった
特に 英語の医学単語、病名は 日本語でも難しいのに
英語だと、何が何だか、発音さえおぼつかない

同僚のチャプレンに「この単語どう発音するの?」と聞いても
「いや~、そんな単語知らん~ 辞書で調べてみたら?」と来て 役に立たない

チャプレン・レジデントの時代は
いろんな専門の研修会に出て 勉強したけれど
プロの間に入って 自分がプレゼンテーションするということはなかったため
とても 勉強になった

プレゼンテーションを聞いてくれた医師や ソーシャルワーカーたちに
今後のために評価を聞いてみようと思う (改善点を中心に)


プレゼンテーションを聞いて 医師の一人が
「僕たちは メインの治療すべき病気のことばかり 抑えているけれど
チャプレンのプレゼンテーションということで
患者さんの人生観や 家族の思いなども盛り込んでもらって
人としての部分がよくわかってよかったです」 と言ってもらえた

今回のケース・スタディーの準備を通して
カルテの調べ方、読み方など 少しコツもわかったのはプラスだったし
これから 一人ひとりの患者さんのことをもっと調べながら
霊的ケアーにあたることができるようになると思う

また、チームの一人のチャプレンとして 
与えられた私のなすべき仕事の位置や メンバーとの協力関係が
少し見えてきたように思う


ちなみに、
この患者さんは 11月1日に誕生日をむかえられるのだが
「だんだん体の中の力が無くなってきていて 死期が近いと感じます。
でも、このところ調子がいいほうなので 誕生日までは生きているかも。
でも、クリスマスはいないと思います。」

死ぬ準備はできている、怖くないと 自分の人生を文章にまとめられ、
知り合いの牧師に葬式を頼んであって、一緒に葬儀の準備をされている

彼の病室を訪問するたびに、そのいさぎよさから多くを学ばされている・・・


昨日の夕焼け

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