チャプレンのブログ・ALSなんか大嫌い

アメリカでチャプレンとして働いています

機会を与えてくれる国、アメリカ

 
今回の職探しで いろいろなことを経験することができ、勉強になった
その中でも 一番驚いたのは アメリカ人の包容力の大きさ
 
面接に行った先々で出会った病院の人たち(チャプレン、看護師長、理事会)は
緊張しながらも一生懸命質問に答える私に 真剣に耳を傾け、公正に審査してくれる

日本ならまず年齢で切られてしまうところだろうし、
チャプレンというもともとアメリカ人がほとんどの職種にも関わらず
55歳の大学院出たての新米にも ちゃんと機会を与えてくれるのだからすごい
 
「アメリカは機会の国」Land of Opportunity とよく言われるが、
決して楽ではないところを 必死でやってきた努力を成果として認め、
機会をあたえてくれるのだ
 
 
シアトルの仕事の面接は 特に心に残った
 
施設長、理事4名、職員1名、看護師が大きなテーブルを囲み、
それぞれに 難題を投げかけてこられた

ーチャプレンとして、あなたが最も大事にしていることは何ですか

ーこれまでに職場でどんなリスクを冒しましたか?
 そのリスクを冒したにも関わらず、失敗に終わってしまった経験を話してください
 
ー職場で誰かと対立関係になってしまったり、意見が合わない場合、
 どのような原理に基づいて 解決をめざしますか
 
ー人間のスピリチュアリティーについての考え、あなたの哲学を話してください
 
などなど、こんな感じで 1時間余り続いた
 
 
一通り質問が終わると、
「一つ一つ丁寧に答えていただいて、ありがとうございました
 これからしばらく協議したいと思いますので、席をはずしていただきます」と
会議室の外に案内された
 
チャプレンとしての私の考え、姿勢、意気込みは伝わったのだろうか?
彼らは 私がここのチャプレンに適切な人物だと 認めるのだろうか?
 
もう、ジタバタすることも何もできない
開き直って、きれいな中庭に咲いている花を眺めることしばらく・・・
 
「部屋に戻っていただけますか」と施設長が現れ、再び会議室へ通された
みなさん、笑顔で座っておられ、「もしかして、合格?」と感じた
 
すると施設長が静かで冷静な声で、
「りえ、今日、あなたはチャプレンとしての自分自身を
 エクセレントにプレゼンテーションされました
 私たちはあなたにチャプレンとして働いていただきたいと全会一致で決めました
 このオファーを受けますか?」と話されたのだ
 
「本当ですか?  喜んでお受けします!」
信じられない気持ちと うれしい気持ちでいっぱいだ
 
すかさず、一人ずつ私に歩み寄って握手し、お祝いの言葉を言われる

心温まる面接だった
 
お年寄りをお世話する施設なのだから みなさん暖かいのは当たり前だし
その施設の性質が面接にも反映されて当然といえば、当然なのだろう
 
もちろんアメリカにも 問題は多いし、嫌なところもある
けれど、今回の職探しを通して アメリカの懐の深さを体験し、
改めて アメリカがLand of Opportunityであることを身をもって知った

与えてもらったOpportunity大事にしなければ・・・

現在の職場であるポートランドの軍病院での仕事はあと3日となった
1週間以内に引っ越すというのに、まだ何もできていない
昨日やっとアパートの許可が降りて、職場近くに住むことが決まった
また引越しのケオスがはじまるのか・・・・・