チャプレンのブログ・ALSなんか大嫌い

アメリカでチャプレンとして働いています

急遽 メモリアル


先週、6年間この施設で生活されていたMさんが突然亡くなられた

その2日前まで お元気でいつものように生活されていたのに・・・

Mさんは、数年前から痴呆症でこの施設に入られていたのだが、
会話はほとんどできず、Thank you, Yes, No, と Fineぐらいしか言われなかった

若きころは教会のパイプオルガニストととして活躍されていたらしい

調子の良い日に、彼女をピアノの前に座らせると
美しい賛美歌を演奏して、みなを驚かせたものだ

寒い日に 暖かいショールを肩にかけてあげると
うれしそうに Thank you! と 目を輝かされていた

そのMさんが 一日のうちに容態が悪くなり、あっという間に亡くなられた

スタッフ一同、私も含めて ショックが大きかった
でも、こういうことはありえること・・・
スタッフ同士、励まし合っていた

ところが、翌日になって、患者さんたちの間でのショックが相当だったことが判明

昨日まで一緒に活動していたMさんが突如亡くなられて、
数人の患者さんが 悲しみにひどいショックを受けられていたのだ

ここでチャプレンとしてできることは何か・・・・?
そこで、急遽その日のうちに、簡単なメモリアルを開くことにした

簡単なポスターを作り、数箇所にはり
Mさんに近しかった患者さんたちに声をかけて チャペルに集まってもらった
たくさんのキャンドルをともしての キャンドル サービス・メモリアルだ

特にプログラムはなく、
みなで Mさんの思い出や 亡くなられたショックを分かち合い
「さよなら」が言える環境を作った

声をかけなかった患者さんもポスターをみて 集まってくださって 7人集まられた

一緒に泣いて、語り合って、Mさんの好きだった賛美歌を歌った

たったの45分間の メモリアルだったけれど
グリーフ・ケア(悲しみのケア)としては 大事だったと思っている

これからも Mさんのことは悲しみが納まるまで みんなで時々語り合いましょうと
オープンな形でメモリアルを終えた

人の死は自然なことで 誰もが必ず身近な人の死を体験するけれど
その悲しみの気持ちを押し殺さずに素直に表現することは大事だ


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