チャプレンのブログ・ALSなんか大嫌い

アメリカでチャプレンとして働いています

2週連続の挑戦 ワシントン山

 
ここ2週間、シアトルを含むアメリカ北西部では 零下の寒い日々が続いている
そんな中、2週連続でワシントン山に行った
 
気温マイナス5度Cの中、雪の山を登っていく
 
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山肌には 大きなツララの群が あちこちにある
落ちてきて刺さるようなことになれば 大変だ キャ~!
 
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このトレイルは 最初からかなり傾斜の強い登りで とてもきつい
それに、標高が高くなるにつれ、気温ももっと下がっていく
 
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やっと景色の開けたとこに来た
この時点で私の足の冷たさといったら 痛みを感じるほど
 
もともと冷え性の私の足は、常に冷たい
その上、零下の雪の山に来ているのだから、もっと冷たい!
 
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陽の当たる開けたところでは、
雪の形状が波打っていて美しい!
 
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夫はしばらく休みも兼ねて 写真を撮っているが
私としては 足を止めると 足の冷たさが倍増するようで
疲れていても 止まることがつらい
 
それで、自分だけ先に トレイルを進んでいった
 
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3時間半登ったところで、中間地点に到着
 
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苦痛の顔で あまりに足の冷たさを訴える私に、夫が
『どんな感じなの?』と尋ねる
『とにかく、冷たくて、感覚がない感じ・・・
 あえて言えば、電気がビリビリととおっている感じしかない・・・』
と答えると、
『それって 尋常じゃないよ。凍傷になる前兆みたいに聞こえるけど』
 
『そんなんじゃこれからもっときつくなるコースは 無理だよ
 今日はここまでで引き返そう』と決断を下した
 
 
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残念だけど、この足の状態じゃ、登頂は厳しいかも・・・・
私は 根性で最後まで行こうと思っていたけれど、
夫に諭され、またの機会に登頂しようということになった
 
 
さて、私が毎年 雪山に使ってきた靴だが、
調べてみると、全く雪用ではなく、普通のハイキング靴だと判明!
 
もともと冷え性なのだから、
雪山で足が冷えるのは 当然なのだろうと、我慢してきたのだ
(我慢は 大和なでしこの美徳だぜ~)
 
次の日、さっそくREIというアウトドア・ショップにくつを見に行ってみた
 
そると、「なんということでしょう!」
雪用のハイキング・ブーツのなんと発達していることか!
 
夫も含め、みんなこんなに 暖かい靴をはいていたのだとは!!!!
今までの苦痛は 何だったのか!!!
 
夫は
「どうして、今まで 足の冷たさのことを言わなかったの?
 そんなつらい思いまでして、雪山に行ったって 何も楽しくなかっただろうに」
というけど、
「足の冷たさは冷え性のせいだと思ってたから、
 言ったって、誰にもどうしようもないと・・・・・」
 
マイナス30度Cまで対応という 新しい靴と分厚い靴下を買って帰った
 
 
さて、あれから1週間後の昨日
新しい靴を試してみることと、ワシントン山へのリベンジを兼ねて
再び 零下の中、出かけた
 
さすがに高い値段のことだけあって、足はポカポカ
先週と同じ中間地点まで 30分も早く着いた
 
さて、ここからは未知の世界
雪との格闘を続けながら、さらに上を目指す
どうしても 今日は登頂するのだ!
 
 
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ここがもっとも険しい斜面 ↓
本当はちゃんとしたトレイルがどこかにあるのだろうけど、
雪でわからなくなっており、みんなこの斜面を登っている様子
 
傾斜が尋常ではなく、45度以上あったのではないかと思う
登っている途中で 後ろを振り返ったら、
あまりの急斜面に 目がくらみそうになった
 
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これでもか、これでもか、と登りが続く
上に行けば行くほど、トレイルも狭い
足が少しでもトレイルからはみ出すと、ズボっと膝まではまってしまう
 
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そんなこんなで、格闘を続けること4時間半、やっと登頂に成功!!
 
みごとに レニア山が見えた!  疲れも吹っ飛ぶ
 
晴天で雲一つなく、美しい景色だった (南の景色)
 
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これは 北側の景色 ノースカスケードの山脈
 
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ズームすると グレーシャー・ピークもきれいに見えた (北東)
 
 
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やっとバックパックを下して、ランチタイム
 
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すると、雪山によく出てくる グレー・ジェイがパタパタと現れた
 
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物怖じしない小型のハトほどの大きさの鳥
人間の食べ物を狙って、すぐ目の前の木にとまり おこぼれを待っている
手のひらにパンを載せると、すぐに手にとまって ついばむ
 
 
 
 
南側には 一般人には出入り禁止の湖が大きく広がっていた
ここは シアトルの市民のための飲み水資源なのだ
 
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40分ほどランチを食べながら 絶景を堪能した
残念ながら、日暮れ前には下山していなければならないため 出発だ
 
最近も、登山者が暗闇の中 下山できず 行方不明になり、
翌日レスキュー隊によって発見されるという事故があったばかり
 
登りもつらいが下りも同じほど、いやそれ以上にきついものがある
 
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4時過ぎには 森の中は少し暗くなってきた
 
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ひたすらに下り続けること2時間半
4時間半かけて登ったのを 約半分の時間で降りた
 
朝、9時に出発して、車に戻ったらちょうど5時
8.5マイル(14キロ) 登った高さ990m
 
ワシントン山 (登ったのは 右の山頂)
 
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とてもきつかったけど、すごく印象に残るハイキングだった
 
それに 足もずっと暖かかったし!
こういう靴の存在を知らずに、7年間も雪山で足の冷たさに苦しめられていたとは、
そして、誰も教えてくれなかったなんて、
 
『何をか言わんや』
 (驚きあきれて言葉も出ない。論外だ)辞書より