チャプレンのブログ・ALSなんか大嫌い

アメリカでチャプレンとして働いています

山の上の生活

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                 夜明けのマウント・フッド(3424m)

ジムの強い勧めで、私たちは広大な土地にぽつんと建つ 山の上の一軒屋に引っ越した。

ジムは、警戒心が強いところがあって、犯罪に巻き込まれるのを恐れ 田舎へ行こうといつも進めた。

当時住んでいた住宅街もあまり安全に感じていなかった模様・・・。

とあることから、6千坪の土地に大きな家が建っている物件を両親が買う事になったのだった。


景色は、絶景!!!!

かなり標高が高かったので、下界は雨でも こちらは晴れていて、マウントフッドが正面にバーンと見えた。

特に、朝日がマウント・フッドの後ろから昇ってくる光景は、寝坊の私をも 早起きにさせた。

近くの空港で行なわれたアメリカの空軍のトップガンの航空ショーも見下ろして見ることができたし、

アメリカの独立記念日7月4日には、別々の地域で行なわれていた花火が 一度に見渡せた!


この地域は、6千坪(5エーカー)に1軒しか家を建ててはいけないゾーンだ。

お隣さんは、クリスマス・ツリー農場。とんがり三角のツリーがきれいに並んでいて、

クリスマス前になると、生木を買いに、人々がやってくる。


うちの敷地内にあったテニスコート用の場所は整地されていなかったので、

もっぱら近所の少年マット君のモトクロス・バイクのコースと化していた。


ご近所の人がいるかどうかは、毎日望遠鏡で新聞を取りに行くテクテク歩いている姿を確認できる程度。

顔も見たことも無ければ、話をすることなど、全然ない。


家の前にはデッキが張り巡らされていて ブランコもついていたので、

両親は 時々教会の人を招いてパーティーなども開いていた。


ある日、セスナ機が ブーン、ブーンとかなり長時間にわたって うちの上を飛んでいた。

「この辺一帯の農地に農薬を散布しているのだろう。」くらいに思って気にも留めていなかった。


数日経って、「ピンポーン」とめったにない来客があった。

彼は、うちの航空写真を額におさめて売りに来ていたのだった。

長時間飛んでいたセスナ機は、行ったり来たりしながら、この辺の住宅の航空写真を撮り、

現像し額に入れて、一軒一軒、売りに来ていた。

見せてもらうと、大きな土地に家が建っている様子が よい構図で撮れていた。

めったに、というか、決して、自分では撮る事のできない写真なので、両親が購入した。


ジムは、神学大学院にも、早朝アルバイトにも距離が遠くなったが、

趣味もはじめたりして、山の上の生活を楽しんでいた。