チャプレンのブログ・ALSなんか大嫌い

アメリカでチャプレンとして働いています

東南アジア カンボジア その3 水上生活者

 
シエム・リエプから車で40分のところにある トンレサップ湖に観光に行った。
 
トンレサップ湖は 東南アジアの淡水湖として最大の湖。
 
トンレサップ湖につながる川から たくさんの観光船が出ていた。
 
                                                 観光船の船着場
 
イメージ 1
 
 
イメージ 11
  数人乗りの小さなボートに乗り込む。
 
  私達の船は ガイドと私達の3人だけだ。
 
  若い船頭さんが 
 
  車のモーターで走る船を運転。
 
  簡素の船なので、ちょっと躊躇したが
 
  一応 ライフジャケットも備え付けてあったため
 
  ちょっと安心・・・。
 
 
イメージ 10
 
 船が2.3分も走り出すと
 
 水上生活者の村 Water Villageが見えてきた。
 
 トンレサップ湖には 数千人の水上生活者が
 
 住んでいるという。
 
 その半分以上が ベトナム系、
 
 もしくはベトナムからの違法滞在者。
 
 
  ↓ 無邪気に遊ぶ子供達 
 
イメージ 12
 ポルポト時代に ベトナム政府との規約で
 
 移民を受け入れたが、
 
 その後1年ほどでポルポト政権が崩壊し、
 
 ベトナム難民の受け入れは終わった。
 
 しかし、生活苦からカンボジアに流れる人が
 
 後を絶たず、違法の状態で
 
 人口が増え続けているのだという・・・。
 
 
しばらくすると、ニコニコした親子の乗った船が スピードを出して 真横に来て手をふってきたので
 
こちらも何気なく 笑顔で手をふりかえした。
 
でも、どうやら これはまずかったようで、手をふりかえしたことで 彼らを招いてしまったようだ・・・・
 
親子の船が ピタッと着いたかと思うと、箱を抱えた息子が ひょいと私達の船に乗りこみ、
 
箱のふたをあけて 中にあるソーダ類の飲み物を見せた。
 
買うしかない状況なので 夫がコカ・コーラを買った。 値段は2ドル。
 
ここまで、お金のことは書いていなかったが、不思議なことにカンボジアには 『リエル』という通貨があるのに、
 
すべては 米ドルでのやり取りなのだ。
 
店で買うと コーラは50セントというから、4倍の値段で買わされたことになる・・・・・・。
 
でも、こんなのは まだまだ驚くほどことではないと、あとでわかることに・・・・・
 
 
                                     にこにこしながら 近づいてきた親子舟
 
イメージ 13
 
 
イメージ 14
 代金をもらうと、また父親のが船をピタッとつけ
 
 少年は 一瞬のすきに ひょいと戻る。
 
 その早業は なんともすばらしい!
 
 
 親子舟は他のボートを目指して
 
 また同じことを繰り返している。
 
 何度見ても、少年の『ひょい乗り』は
 
 目にも留まらない 芸術的な早業なのだ。
 
 
イメージ 9
 
 
Water Villegeには 野菜を売る船もあるようで
 
青野菜を積んだボートがあちこちにあった。
 
 
Floating House 浮いている家は
 
どれも貧しく 最低限の生活のようだ・・・・
 
 
 
  テレビを見ている男性達 ↓
 
イメージ 15
 家の中にはテレビもあって、
 
 電気は来ていないが、バッテリーで
 
 テレビが見れるとのことだった。
 
 
 この日は土曜日。
 
 キック・ボクシング観戦は カンボジア男性の
 
 一つの楽しみらしい・・・
 
 
 
イメージ 16
ほとんどの人は ここで生まれ、大きくなり、
 
結婚し、家族を持って生活し
 
一生陸にあがることもなく 死ぬのだと言う。
 
 
ここの人たちは 漁業で生計を立てている。
 
未明から午後まで 12時間 魚を捕って、
 
午後は 家族とのんびりリラックスしておられる
 
みだいだった。
 
 
 
水上生活者の村には、教会もあった。 (カトリック教会) ↓
 
イメージ 2
 
イメージ 3
 
 
 そのほか、小学校、店、船の修理屋さん、
 
 それにバスケット・ボールのコートまで
 
 すべて水に浮いている・・・・!!
 
 
 
 ← お店の横で たらいに乗る男の子
 
 
 
 
20分ほどで トンレサップ湖の 本体と言える部分に到達した。
 
海のように広い!
 
水が茶色ににごっているのは 今は雨季で湖に水が流れ込んでいるからなのだとか・・・
 
イメージ 4
 
 
イメージ 5
 
実は、ここには 別の世界があった・・・・・
 
と言うのも、 「お金を恵んでください~」 と
 
嘆願する小船が あちこちに浮かんでいて
 
観光客の船をめがけて 船を着けてくるのだ。
 
ほとんどは女性と小さい子供。
 
中には 乳飲み子をがごに入れている母親も。
 
 
 
イメージ 6
 まさに、着の身着のままのような人たちが
 
 船に手をかけて、目の前で、
 
 Please give me one doller! (1ドルください)と
 
 頼み続ける・・・・・
 
 
 大きな蛇を体に巻きつけた3~4歳の子が
 
 「写真を撮らせてあげるから 1ドル」
 
 という商売まがいなのもあった・・・・
 
 観光客が無視し続けると、おもしろそうに蛇を近づけてまで気を引こうとする・・・
 
 私は 「自分のところにその子が来たらどうしよう」と、気が気ではなかった。 (かなりの大きさのヘビだよ~)
 
 
 ガイドさんに聴くと、いつも同じ家族がこうやって 物乞いとしているのだという。
 
 彼らは 観光船を目指して、かなりのスピードであっちこっちへ 移動している。
 
 毎日やっているということは かなりのガソリンも使うことだろうし、それだけの収入があるということか・・・?
 
 男性はおらず、女性と子供が物乞いをしているということは、夫の漁業の副業としての物乞いなのか・・・・。
 
 
 ともかく、私は彼らの生活の貧しさと、物乞いのパワフルさに圧倒されてしまった。
 
 かといって、みんなにお金をあげるわけにもいかないし・・・・・・
 
 
イメージ 8
 何も知らずに このツアーに来た私は、
 
 困惑してしまい、ガイドさんに 
 
 このツアーの主旨は なんなのかを
 
 再確認してみた。
 
 「このツアーは トンレサップ湖の美しさを
 
  見るためのものですか?
 
 それとも 水上生活者の村を見せるための
 
  ものですか?」                              ハンモックで リラックスする男性
 
 すると、答えは 「水上生活者の村を見せるためのものです。
 
  トンレサップ湖なんて、水上生活者の村がなければ、だれも来ませんよ~」と言われた。
 
 
 貧しい生活を こんなに近くから観光客にのぞかれて、
 
 観光船まで出してそれを見せようとする船会社と またそこと提携してツアーを組む旅行会社から
 
 何の報酬も献金もないらしい・・・
 
 
 ならば、観光客からなんらかの見返りがあっても当然と 考えるのだろうか・・・・???
 
 
イメージ 7
 
 テレビやニュースで 世界の貧困問題を見て
 
 考えさせられることは多いけれど、
 
 自分の目で見て、体験するのは
 
 これほどまでに インパクトがあることなのかと
 
 本当に圧倒される。
 
 
 
 
             ↑猫         ↑犬    (村には ニワトリも、豚も船の上で飼われていた。)
 
 
 生活水準の非常に高いアメリカや日本の感覚で考えると、貧しさ=不幸=かわいそう と連想するが、
 
 はたして、それは当たっているのだろうか・・・・
 
 人間として、自由と医療と教育に大きな限界があることから見て、問題があると感じてしまうのは
 
 ごく自然なことだと思う。
 
 個人で何かを起こすというところまでは行かないと思うけれど、
 
 これからも注意を払って カンボジアのことを支援できたら・・・・・・・