チャプレンのブログ・ALSなんか大嫌い

アメリカでチャプレンとして働いています

初めての出会い

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             英会話の生徒さんから茶道を体験させてもらっているジム

1984年の3月末、私は勇気を出して自分から まだ会ったこともないアメリカ人ジムに電話をかけた。
ロスアンジェルス近郊の英語学校の情報をもらうためだった。

「梅田駅の紀伊国屋書店の前で会いましょう」となんとか約束をとりつけることができた。

さて、当日待ち合わせの場所に行くと、なんと 6,7人の若い白人男性が、
それぞれに、誰と待ち合わせをしている感じで 立っているではないか!!

困った・・・・。
仕方がないので、端から一人づつ、声を書けることにした。
Are you Jim? Are you Jim?

知らないアメリカ人に声をかけるのって、どんなに勇気のいることか!!!
(今のわたしなら、平気だろうが・・・)

ひとり、またひとりと 尋ねるも、みな「ノー」という。
なんと、一番最後に聞いたのが、ジム その人だった。

それまで写真すら見たことのなかったジムは、長身で細身。
私はそうは思わないが、結婚後 よくジョン・レノンに似ていると言われたが、
髪が少し長めで、言われてみれば、似ていないでもない。
(私は ジョージ・ハリソンの方がずっと似ていると思っている)

やっと一応会うことができたので、安心したが、緊張した。

簡単に名前だけ自己紹介らしきものをしたあと、近くのマクドナルドへ行きましょうと言う。
そこに、ロスアンジェルスの英語学校を卒業した友人が2人来てくれることになっているらしい。

実際に現れた20代の Yさん(女性)と Sさん(男性)は、
ジムとアメリカで知り合い、友達になって、今も付き合っているいい友達のようす。
そして、自分たちが通っていた学校のことをいろいろと教えてくれて、パンフレットまでいただいた。

ジムは、「この2人の情報では 足りないと思うのなら、ミネアポリスの姉に連絡を取って
調べてもらうこともできます。姉ならホームステイもさせてくれると思う。」と
具体的に話を進めてくれた。

2時間ほど話していただろうか。

ひとまず、今日のところは この辺にして、
私は もらった情報を元に これからどうするのかを考えることになった。

ジムは、「なんらかの決断をすれば、来週にでも 自分が申し込みの手続きを手伝ってあげます」という。

これが、初めての出会いだった。

私のジムに対する印象は、「とても、親切な人」。
初めて会う、何を考えているかもわからない私に、わざわざ自分の時間をとって、具体的なヘルプをしようと友達まで呼んでおいてくれたのだ。

こんな親切な人も、めずらしい。と言う感じ。

私は もらったパンフレットを持ち帰り、悩んでしまった。
学費はかなり高額。
私は2つも大学に行かせてもらったので、もう親に頼むことはできない。
これからアルバイトをしてアメリカに行くお金をためて、勉強に行き、
そのあと帰国して、またアルバイトをしてインド行きを準備するとすれば、あまりにも 時間がかかりすぎる!

私は、途方に暮れて、がっかりしてしまった。

そして、出した結論は、アメリカへは行かず、日本でインド行きの準備のためアルバイトをして
その間に、これまでのように英会話を独学すること。

ジムに会って1週間になろうと言うとき、またこちらから電話をして、
「いろいろ教えてもらって、ありがとうございました。
 でも、お金も時間もかかるので、アメリカには行きません。さようなら。」
こんな、簡単で、よく考えたら失礼な電話だった。

出会いのきっかけを作ってくれたポールには申し訳ないが、
なんとも そっけない 1度だけ マクドナルドで コーヒーを飲んだだけの出会いとなった。
 
そのときは、私はジムに対して、何も感じなかったし、
ジムも 私に対して、何も感じなかったという。

お互いに、悪い印象こそ持たなかったが、それほどインパクトも感じなかったのだった・・・。

でも、その約1ヶ月後、また二人は出会うことになる・・・・・。