チャプレンのブログ・ALSなんか大嫌い

アメリカでチャプレンとして働いています

IDG ミーティング

今日は、IDG ミーティングについて書いてみようと思う

IDとは Interdisciplinary(インターディシプリナリー)の略で 
学際的と訳されるようだ
Gは グループのこと

日本にもあるとは思うのだが何というのだろうか? 知っている人教えてください


もう少し詳しく説明すると・・・  
患者を取り巻くすべての職種のプロたちによって行われるミーティング・・・

私の勤めるホスピスのIDGは、
(アメリカではどこの病院でも、ホスピスでもやっている)
医師、看護士、薬剤師、ソーシャルワーカー、介護士、作業療法士、
チャプレン、グリーフ・カウンセラー、ボランティア・コーディネーター
そして、マネジャーで構成されており、

2週間に一度、一人一人の患者ケアについて会議を持つのだ
それぞれが、同等の立場で患者さんのケアの状況、改善点、問題点など 話し合う
2間半に及ぶ会議は 朝の11時半から午後2時と、
一日のど真ん中に組み込まれているため
その日はあまり多くの予定を組むことができないほど

基本的には、
マネジャーが司会役となり、
看護士が患者さんのケアや状態について説明、
ついで、ソーシャル・ワーカーからの説明
そして、チャプレンが霊的なケアについて説明、(一応この3人がチームの中心)

そこに医師や薬剤師らが必要に応じて検討する

例えばこんな感じだ (ここからは全くの例話)

マネジャー「患者Aさんについてお願いします」

看護士  「Aさんは、80歳女性、病名は〇〇。自宅で娘のBさんが介護されてます
      最近が痛みがひどくなり、娘さんからのケア―も大変になってきています
      ドクター、薬を少し増量してはと思いますがどうでしょうか?」

医師   「オッケー、でも△△の薬の方がよいかも
      薬剤師、どうでしょう?」

薬剤師  「そうですね、Aさんはまだこの薬は試しておられないので効くかも。
      体重は何キロですか? すぐに手配します」

看護士  「ありがとう、ではすぐに娘さんに薬が届くむね、連絡しておきます」

ソーシャル・ワーカー「娘のBさんの体力も限界のようなので、
      家族の経済情報も考えて、介護斡旋社を数社 紹介しました
      家族は検討してみて、週に数時間でも介護者に来てもらえるか
      考えておられます」

マネジャー「それはいいですね、チャプレンからは追加事項はありますか」

チャプレン「Aさんはクリスチャンの信仰の方ですが、
      教会にはもう長年行っておられません
      でも、信仰は今でも生きており、祈ってほしいとリクエストされます
      以前に参加されていた教会に連絡して 牧師に訪問してもらいたいかとの
      質問には、今のところその必要はないそうです
      チャプレンには 2週間に一度の頻度で訪問を依頼されています」

看護士  「最近、ベッドから車椅子への移動介助が困難になっているようなので、
      Mさん(作業療法士)、訪問して娘さんに
      介助方法を教育していただけますか」

作業療法士「わかりました、あさって開いているので、訪問しましょう」

チャプレン「娘のBさんは 患者さんの死を受け入れられなくて、
      非常に悲しい思いをしておられます
      グリーフ・カウンセラーのことを紹介したら、興味を示されました」

グリーフ・カウンセラー「わかりました。さっそく明日電話を入れてみますね」

こんな感じで、進んでいく


私は4チームのスピリチュアルケアを担当しており
チャプレンのサポートを希望される患者さんのみで
常時40~45人の患者さんを抱えている



会議以前に IDG用のチャプレンカルテも書かなければならないし、
40人のカルテを書くのには時間もかかるし、とても大変

でも、国の医療制度と直結しているため、絶対にやらなければならない業務

チャプレンの仕事は、カルテ書きがなくて、
患者さんや家族のスピリチュアル・ケアだけしていればよいのであれば
最高なんだけど、
そうは問屋が卸してくれない!

いいこともあれば、いやなことも混在している
それはどの仕事にも言えることなんだけども・・・・・

神様、グチグチ ごめんなさい