チャプレンのブログ・ALSなんか大嫌い

アメリカでチャプレンとして働いています

楽しい訪問


アメリカでは、ケアを必要とする老人のホーム:
アダルト・ファミリー・ホームというものが 多い

普通の大きめの一軒家を州の規定に合わせて改造し、
6人のご老人まで受け入れることができ、
24時間の介護ケアを行っている

大きな老人ホームと違って
アットホームな雰囲気の中で、生活できるとあり、
介護の必要となった親を、アダルト・ファミリー・ホームに
入居させる人も多い

私も何軒も担当させてもらっているが
その中の一つは、訪問するのが楽しみとなっている

というのも、このホームの入居者はほとんどが
高機能レベルの老人性痴ほう症の方々で、
いつもギターやウクレレを持参して訪問するチヤプレンを
楽しみにしてくださっているからだ

そこにおられる私の患者さんは90歳の白人女性
簡単な会話はできるが、会話は続かない

娘さんから、Oさんは教会に熱心に通っておられたクリスチャンで
クワイアのメンバーとして 讃美歌を歌っておられたと聞いていたので、
訪問のたびに讃美歌を歌って差し上げる

すると、彼女はほとんどの讃美歌を一緒に歌うことができ
美しい笑顔で讃美歌を歌われる

不思議なことに、かなり重度の痴ほう症ので、
言葉を話すことができなくなってしまった方でも
昔の歌を歌って差し上げると、
ひとりでに歌を歌い始められるのだから、すばらしい

音楽は、本当に私たちの魂に刻まれていて
たとえ、多くを忘れてしまったとしても
音楽だけは 保たれている


さて、コロナ感染の影響で、
ほとんどのアダルト・ファミリー・ホームでは
家族の訪問が禁じられてしまい
これまで、自由に出入りできたいた家族としては
訪問できない悲しみと、フラストレーションで大変だ

アダルト・ファミリー・ホーム側も
これまで受け入れていたボランティアのミュージシャンなどの
訪問を止めてしまったため、
同じメンバーで、毎日過ごすのに
入居者さんたちのストレスもたまっている

てことで、私がギターを持って現れると
皆さん笑顔で 「待ってました~~」と
大歓迎してくださり、リビングルームが
小コンサートと化すのだ

讃美歌にとどまらず、アメリカのオールディーズなど
小一時間歌うと、みなさん拍手喝さいで、楽しんでくださる


2週間に一度の訪問だが、
少しでも、魂の癒しになることができればと思う

スピリチュアルケアにおける音楽の力はすごいことは
医学的に知られているが、
そのすごさをいつも身にもって知らされている



我が家から見える夜明けの風景

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