チャプレン日記‐ホスピス(シアトル)2016-現在
半年ほど前、私の施設に Kさんが入居してこられた 90歳の紳士であるKさんは キャリアとしてはカリフォルニアやアリゾナで バリバリ建設業の会社を経営されていたが(いわゆるジェネコン) 若い頃から 人には言えないような派手で自分勝手な生活をしていたら…
牧師として 生まれて初めて 結婚式を挙げた 60代の患者さんとその婚約者は 6月に結婚式を挙げる予定だったが 仕事中に頭蓋骨骨折、その手術の際に 脳腫瘍ガンが発見された 脳手術を受けられ、そのリハビリで私の働く施設に来られたのだった 「この施設でぜひ…
毎週火曜日の朝は「賛美歌を歌う会」が1時間ある ホームに住む方々のための霊的なリクリエーションの一つだ 毎回クリスチャンの患者さんたちが15~20人ほど参加されている その歌の会をリードするチームは すべてボランティアの面々 女性が4人と男性1人 リー…
「このまま森の深いところに連れて行って 一人で死なせてほしい・・・」 75歳のAさんは 静かに私の顔をみて 悲しむことも取り乱すこともなく言った 数年前に脳腫瘍をわずらい 3年ほどかけて 言語障害、記憶喪失、歩行、日常生活を取り戻した それなのに 今度…
私とオフィスを共有しているAさんは 修士号を持った看護士で 看護士の教育と感染防止という二つの仕事を一人で行う課だ (ちなみに私もソロのチャプレンなので一人の課だ) 彼女の仕事のひとつに 職員のインフルエンザ予防接種の管理がある 12月始めまでに、…
先週、6年間この施設で生活されていたMさんが突然亡くなられた その2日前まで お元気でいつものように生活されていたのに・・・ Mさんは、数年前から痴呆症でこの施設に入られていたのだが、 会話はほとんどできず、Thank you, Yes, No, と Fineぐらいしか言…
この金曜日と土曜日に5人の患者さんが亡くなられた 3人は悪化されて 病院に搬送され、治療を受けておられた方々 お2人はこの施設に入所されていた方々だ それぞれに ユニークな人生を力強く生きていこられたすばらしい患者さんたち 病気のことだけでなく、人…
私の勤める職場は ペット・フレンドリー 2匹の猫が施設内に住んでいて、自由に患者さんの部屋に入っている ペットセラピーの一環だ 猫たちは 慰めを必要としている患者さんが判別できるらしく、 孤独な患者さんや ストレスを抱えている患者さんの部屋にそっ…
チャプレンとして働き始めて 1ヶ月が経った 117床の患者さんのスピリチュアル・ケアーをしているのだが その半分が長期入居者、あとの半分がリハビリの患者さんで短期の入院だ ここでの仕事は これまでの総合病院ではなかった種類のチャプレンの仕事がある …
今週から仕事がはじまった 月曜日の丸一日の研修オリエンテーションを終え 火曜日から施設に出勤している この施設では 数ヶ月間 チャプレンがいなかったらしく 職員をはじめ 患者さんたちからも 暖かく歓迎を受けている 「チャプレンが もうすぐ来られると…